古代、印鑑は神聖なものだった

印鑑イメージ

古代の印鑑についてお話しましょう。
印鑑はミノア文明の時代から用いられてきました。

紀元前3000年頃の初期の印鑑はピラミッド形や円錐形。
すでに印材として象牙が用いられており、印面には象形文字が彫刻されていたそうです。
紀元前1600年以降になると、印材に水晶が用いられるなど、彫刻技術もさらに高まります。

どうやら紀元前の時代、印鑑は神聖なものとみなされていたようです。
描かれていたのは動物や魚、神々などの絵画的なもので、芸術的にたいへん優れているものばかり。

紀元前5世紀の頃のギリシャ・ローマ文明の時代の印鑑では、スカラベと呼ばれる甲虫をかたどった印鑑が広く用いられていました。
これらの印鑑はインタリオという陰刻で、貴石などに彫刻されている神々は、美の女神アフロディテや愛の神として知られるエロスなどでした。

ローマ時代になるとカメオと呼ばれる陽刻も登場します。
インタリオやカメオは、現在では印鑑よりもむしろアクセサリーとして愛用されていることは、皆さんもご存知のとおりです。
インタリオは「沈み彫り」の技法で作られた工芸品で、動物や人の顔などが多くモチーフにされています。

一般的に、表面に「浮き彫り」したものをカメオ、「沈み彫り」をしたものをインタリオと呼びますが、インタリオとカメオをまとめて「カメオ」と呼ぶケースもあります。

当時も、印鑑としても用途は持っていながらも、その多くが装飾としての意味合いが強いものでした。
当時の名工たちは腕を競い、数多くの芸術品を残し、のちの印鑑文化にも大きな影響を与えました。

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